故意落球のルールやダメな理由をきちんと知っておきたい。
故意落球とインフィールドフライはどんな違いがあるのだろうか？
この記事を読んでいる方は、故意落球に対してこのように思っているのではないでしょうか。
たしかに、故意落球は野球のルールの中で複雑だと言われています。
審判が故意落球を宣告した時「一体どういうこと（この後はどうなるの）?」と思ってしまう方が多いです。
この記事では、故意落球のルールやダメな理由、インフィールドフライトの違いをわかりやすく解説し、故意落球にまつわるよくある質問に対して回答します。
ぜひ、読み進めてください。
目次
故意落球とはどのようなものか？
故意落球をシンプルに説明すると「わざとボールを落とすこと」です。
英語では「intentional drop」と表現します。
（「intentional」は「意図的」という意味です）
プロ野球でも高校野球でも、実際に故意落球が適用されています。
言葉で説明するより実際のプレーを見た方が理解しやすいと思うため、故意落球が適用されたシーンを紹介します。
2塁審判と主審が話し合い、故意落球が認められました。
故意落球のルール
故意落球のルールを順番に説明します。
- アウトカウント：ノーアウトあるいは1アウト
- ランナー：1塁、1・2塁、1・3塁、満塁
上記の状況で、内野手のもとにフライあるいはライナーの打球が飛び、内野手がボールが落としたとしましょう。
内野手の落球を審判が「わざと」だと判断した場合、故意落球が宣告されます。
故意落球が宣告されると、バッターはアウトとなりランナーはもとの塁に戻ります。
ピッチャー・キャッチャーへのフライも、故意落球の対象です。
ただし、以下の場合は故意落球が適用されません。
- ファールボールを落球した時
- 野手がフライ（ライナー）の打球に触れていない時
- フライ（ライナー）の打球が手やグローブ以外に当たった時
- 落球したものの、審判が「わざとではない」と見なした場合
このように、内野へのフライがすべて故意落球に当てはまるわけではありません。
故意落球がダメな理由
1度捕球したはずのボールをわざわざ落としてダブルプレーを狙う状況を防ぐために、故意落球が禁止されています。
きちんと捕球すれば、内野フライが成立します。
「1度成立しているプレーをわざわざ崩す必要はない」ということです。
たしかに、明らかに捕っているはずのボールを落としてダブルプレーを狙うプレーは、見ている方もあまり気分が良くありません。
おそらく、この点も考えた上で禁止になっていると思われます。
故意落球とインフィールドフライとの違いは？
故意落球とインフィールドフライの違いを、以下の表にまとめました。
ぜひご覧ください。
| 故意落球 | インフィールドフライ | |
| タイミング | 野手がボールに触れた後 | 野手がボールに触れる前 |
| ランナー | 1塁あるいは1塁と他の塁にいる | 1・2塁あるいは満塁 |
| ライナー打球 | 適用 | 適用外 |
| 適用後 | プレーが止まる | プレーが続く |
このように、故意落球とインフィールドフライにはいくつか違いがあります。
現在も野球の試合を行う機会のある方は、違いを理解しておきましょう。
故意落球に関するよくある質問と回答
故意落球に対して多くの方が疑問に思う内容に対して、順番に回答します。
バントの場合はどうなるのか？
バントのフライも、故意落球が成立します。
例えば、以下のような状況です。
- バッターがバントした球がピッチャー方向への小フライとなる
- ピッチャーがボールをグローブに当てたものの、落球する
故意落球かどうかは審判が判断するため、選手たちは独自に判断せずプレーを続けることが大切です。
外野手は適用されるのか？
外野手の場合は、故意落球が適用されません。
ただし、外野手が守備シフトをおこなって最初から内野の位置のいた場合は、故意落球の対象となります。
ここで、外野手の落球に関する印象深いプレーを紹介します。
明徳義塾高校と明石商業高校の練習試合で実際に起きたことです。
両校は高校野球の強豪校であり、明徳義塾の馬淵史郎監督と明石商業の狭間善徳監督は師弟関係の間柄です。
明石商業の攻撃中、1アウトランナー1・2塁という状況でセンターにフライが上がりました。
通常であれば、センターが捕球して2塁ランナーはタッチアップに備えます。
ですが、センターは捕球しませんでした。
センターはボールをセカンドに送球し、1塁ランナーはフォースアウト。
その後、3塁に向かった2塁ランナーは挟まれてタッチアウトとなり、ダブルプレーが成立しました。
もし、ダブルプレーが成立していなければ、さらにピンチが広がります。
明徳義塾ナインの高度なプレーに、驚いてしまいました。
故意落球に関する忘れられない体験
今からお伝えする話は、故意落球のルールを理解しておくことの重要性を認識した体験です。
私が中学2年生の時、ある中学校と練習試合を行いました。
3回表、相手チームの攻撃でノーアウトランナー1塁という状況です。
バッターがショート方向にライナーを放ちました。
ですが、ショートはボールに少し触れたものの捕球せず、プレイは続行。
ダブルプレーが成立しました。
ですが、故意落球と判断されてもおかしくないプレイです。
相手チームからのアピールがなかったためそのままダブルプレイとなりましたが、もし審判や相手チームが故意落球のルールを知っていれば、状況は変わっていたかもしれません。
（練習試合だったため、審判は試合に出ていない生徒が務めていました）
当時は私も、故意落球のルールを理解していませんでした。
もし、当時の私たちのチームが相手チームと逆の立場になっていた場合、私たちのチームが不利な状況に立たされます。
やはり、ルールを知っておくと自チームが不利になるのを防げます。
まとめ～故意落球のルールをきちんと理解しよう～
今回は、故意落球についてさまざまな角度から説明しました。
ポイントを整理しておきましたので、確認のために活用してください。
- 故意落球とは、わざとボールを落としたと審判が判断した時に適用される
- ランナーが1塁にいると、故意落球の対象となる
- 投手・捕手を含めた内野へのフライ（ライナー）が対象で、外野への飛球は対象外である
- また、ファールの場合や野手がボールを手で触れていない場合も対象外である
- インフィールドフライとは、複数の違いがある（くわしくはコチラ）
この記事を通して、故意落球に対する理解が深まれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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